Thursday, October 20, 2011

解剖学的ACL再建術


http://www.performanceorthosports.com/DOUBLEBUNDLEACL.html

UBに勤め始めてから、整形外科レジデンスのための週一回の勉強会を見学を木曜の日課にしています。今日はピッツバーグ大学整形外科のフー教授の講演でした。多くの日本人医師とも共同で研究や臨床をなさっている方です。そのACL再建術の権威であるフー教授が解剖学的再建をテーマにプレゼンしてくださいました。勉強になりましたので少し中身を。

•    ダブルバンドルのほうが患者の将来に効果がある
•    他の動物を見ても、何千年前の人類を見てもACLの解剖には意味がある
•    3次元で解剖を捉えよう 
•    しっかり患者個々の解剖学的構造の長さや角度を測定しよう
•    客観的評価を大事にしなければならないが、現在のものはとても限られている(ある一面からしか捉えていない)
•    3次元やファンクションを考慮した客観的評価方法を考え使おう
•    術後のリハビリは、手術方法と組織修復過程を考慮しよう (ハムストリングスグラフトは膝蓋腱と比べ強度が出るのに時間がかかるなど)

以下の論文を参考にしてみてください。

Yasuda K, van Eck CF, Hoshino Y, Fu FH, Tashman S. Anatomic single- and double-bundle anterior cruciate ligament reconstruction, part 1: basic science. Am J Sports Med. 2011 Aug;39(8):1789-99. Epub 2011 May 19.



私の認識はこれまでダブルバンドルはシングルバンドルと比べ予後は変わらず、手術に技術と時間がかかるため、シングルバンドルのほうが患者のためにはいいだろうというものでした。しかし、フー教授の経験とエビデンスを含めた考察を語っていただいたことにより、EBMと叫ばれている世の中で改めて解剖の重要性を感じました。今、世の中に出ている大部分のエビデンス、そしてレベルの高いエビデンスは、ある一面からの客観的と言われている評価を比べてこちらが効果があるとかないとか言っている、とフー教授が言っているように感じました。人間は3次元、時間を入れれば4次元で生きていますし、一人ひとり異なる心と身体を持っています。しっかり患者と会話をし自分の手で評価してリハビリをしていきます。11月の臨床スポーツ医学学会でフー教授が来日するようです。ぜひ青森に。

3 comments:

  1. 今までACL損傷は保存2名、オペ(ITB使用)後1名しか経験してないもんで、BTB・STGの後療法を経験できてないので、こういう話は勉強になるよ。
    BTBも、採取腱を中央から内側よりにすることで疼痛・可動域を従来のものより改善できているようで、まだまだ新しい知見が出そうですね。

    タキド

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  2. 保存もAMかPLどちらか一方の損傷であればかなりの確率で組織の修復が見られるみたいだね。BTBは大腿膝蓋関節に痛みがある(特に女性)では避けることが多いよね。10年ぐらい前は強度の違いでBTBを好む医者が多かったみたいだけど、STGで人工的に靭帯を作る方法の強度が増したため治癒をしっかりさせたら差がないっていう考えが主流で、こちらではSTGが多い印象かな。フー教授は手術前に3D-CTまでとって解剖学的位置に近づけると言ってたね。その意味ではBTBでは大腿骨に埋め込むのが穴がカーブしているため難しいとも。術後の評価ではMotion X-rayでトレッドミル上の走りを骨の動きを評価していることもしているらしいよ。カネがかかるね。でもそれを進めることで本当に効果的なものを判断できる材料になるよね。研究としても他人が見逃している当たり前のことを当たり前に行なっていると思ったよ。

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  3. 今日、ACLの新患さんが出たよ。オペ前だけど。久しぶり。今回の話題が出たところだったので非常にタイムリーです。ぼつぼつROMを出していくよ。

    ACLの保存療法も可能性あるんだね。基本的に無理、一本残っててもあまり機能しない、と思ってたけど違うようだね。

    当たり前のことを当たり前に行う・・・・できてないなあ。ごまかしてるところがある。しっかりやらなきゃ。

    滝戸

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