近年、X線やMRIなどの理解が大変重要になってきています。ここでは現在の自分の専門である整形に関して書きます。身体の理学療法的検査と組み合わせることでより精密な診断が下せるようになるからです。また医者を通さず患者を診ることを目指している米国の理学療法では画像のオーダーなども行えることを視野に入れているので、放射線医を介するとはいえこの知識と技術は不可欠になってきます。実際米国軍隊で働いている理学療法士は画像をオーダーする権限や、ある特定の種類を薬を処方する権限も与えられています。アスレチックトレーナーとしては、整形外科医のアシスタントをするPhysician Extenderという立場で画像などを医師と一緒に解釈したりオーダーすることもあります。
私自身も理学療法士として和歌山医大で予後や治療方針を考えるためにとても重要であることを学びましたし、トレーナーとして診断に不可欠なことも学びました。現在もスポーツの怪我の中で画像が必要か否かが医者に紹介するかどうかの決め手になることが多いです。
自分の印象では、画像ひとつを医師のように正確に解釈する必要はありませんが、腫瘍などの特別な疾患の特徴を知り、その発見でどの専門医に紹介する必要があるのかまではできるようになる必要があると思っています。これには訓練も経験も必要ですし、自分はまだまだです。そんな中医者の間で利用されているものがあります。ACR Appropriateness Criteriaというものでアメリカ放射線学会が提示しているガイドラインです。理学療法士にも必要な知識だと思うので紹介しています。これまでのエビデンスを利用し各々の疾患や障害に対してどの種類の画像診断を行うほうがよいかが示されています。
Musculoskeletal Imagingという項目部分に整形に関するものは掲載されていますので以下のアドレスを参考に見てみてください。