Sunday, July 24, 2016

カンボジアの理学療法

プノンペンにあるKhmer Soviet Friendship Hospitalの神経内科でボランティア理学療法士としてこの1ヶ月間働いてきた。すばらしいVeterans International Cambodia (VIC)という切断患者を無料で診察、リハビリ、義肢装具・車いすの処方まで行っている施設も見学できた。いろいろな人にも話を聞いてきた。リハビリテーションに関して、そこには多くの課題が満載である。これは過去の悲劇にも影響されているし、現状の足踏みや医療ツーリズムなどによる国内医療の空洞化などの影響もあると考えられる。下記にあるJess Kにより作られたカンボジアの理学療法のプレゼンテーションにとても良くまとめられている。

https://prezi.com/azqxtifve6ef/key-issues-and-challenges-of-physiotherapy-in-cambodia/

上記のプレゼンには含まれていない私見をまとめみた。

  • 現状では、理学療法士の人数もすぐに増えず、保険もリハビリテーションをカバーしないため理学療法士を中心とした患者のケアを届けることには無理がある。
  • 言語聴覚士や作業療法士は存在していない。嚥下や高次脳機能障害には、見た限りほぼアプローチされておらず、PTが行う必要がある。新たに職業ができるには時間がかかるため、PTの教育または卒後教育の中にもこれらの領域を取り入れるべきである。
  • 最も重要なのは、全ての科の医師がリハビリテーションの重要性を理解し、VICへの装具やリハビリテーションの処方を出したり、予後をもとに患者家族の教育を行い運動や機能に対するアプローチを啓蒙する(これを行いたいと思っているPTやPOはカンボジア内に多い)。
  • VIC (リハビリ施設内に車いす工場や義肢装具製作所がある)などのすばらしいリソースを更に利用する。
  • 先進国は、よりパブリックと医師の教育、僻地の人々に対するリハビリテーション医療の教育、そして同じ意識を持った理学療法士の育成にフォーカスすべきである。

これが私が勝手に思っていることである。これらを行っていくことで、同時に社会や保険制度、リハビリテーションに対する対価が変わっていくことを期待する。すべての国に課題はあるが、カンボジアでリハビリテーションを受けられずに、機能的ポテンシャルを教えられずに、活動レベルを落としている人の数は多すぎる。更に考えていきたい。


Sunday, July 17, 2016

カンボジアの若者に見習わなければ

 Phare Ponleu Selpak

これは私的見解によるバイアスが入っているかもしれない。歴史的に見ると、中国の策略と洗脳に陥ったポル・ポト過激派による超自然主義のようなものと民衆のコントロールを行うため一般人、知識人の の虐殺にいたった。3分の1の人口と多くのこれから国を担っていっていたであろう人々を失い、100万人もの障がいをもった人々を産み、また寺院の破壊や地雷の拡散などを行い、その過激派は負の遺産しか残していない。

個人では現在に至る数週間のカンボジア滞在と理学療法士としての患者の治療を通して、その悲劇から立ち上がり、ひたむきに生きている人々の姿を、 肌身を持って感じられている。カンボジアのその悲劇を忘れないための、カンボジアの人々は虐殺の現場の保存と伝達、地雷博物館や戦争博物館、子どもたちの支援などの運動が行われ、国際協力も各方面で実施されている。

多くの若者たちは、英語も話せ、フランス語も読むことができ、海外で勉強やトレーニングを望んでいる向上心を持っている。アートでトレーニングも積んでいる。その眼差しと勢いを見ていると、今後活躍と国のポジティブな変化しか想像ができない。日本にはない危機感により、それが生み出されているのかもしれない。しかし、日本にも、経済的な後退や国内会社の体質、若者の科学、学問離れなど、現在危機的な状況である。皆が上を向き、声を上げて前に進もうとしている。周囲の東南アジア諸国に遅れている印象があるかもしれないが、その劣等感も前向きに働いている。日本には無いエネルギーがカンボジアにはある。