Sunday, November 27, 2011

ナイトサイエンス

デイサイエンスは理性的な観察であり、客観的な科学です。つまり学者たちが講義してる内容でしょう。ナイトサイエンスはデイサイエンスの裏側みたいなもので、主観的で人間の感性をもとにして見る世界のことです。大発見の裏側にある、ひらめきや偶然がナイトサイエンスです。

これは村上和雄氏が江崎玲於奈氏の言葉として語っていたものです。村上氏はこうも言っています。

現在の科学は結果だけを教えています。そこには感動はないです。科学者がどんな仕事をしていて、どのように物事と戦っているのかを語り、大きな仕事をやり遂げたプロセスを説明し、その感動を伝えることがナイトサイエンスなんです。感動、感じないと人間は動かないんです。

何か自分には響いた言葉たちでした。結果だけを語りがちなアメリカ。感性を重要視している日本。そして結果だけを求めがちな今の自分。改めて思いました。教育やコミュニケーションには感じたことを伝えることが大切ですね。臨床にも、今後の進む道にも言えます。


遺伝子の不思議 超入門 村上和雄著 竹内薫著



Friday, November 25, 2011

胸郭出口症候群

私が経験しているものでも、長距離ランナー、頸部疼痛と下位頚椎神経症状、胸背部痛、手根管症候群などなどがあり、その原因のものもあれば二次的なものもあります。どのような上肢の神経障害でも合併している可能性が高いので絶対に検査治療すべき疾患です。    

胸郭出口症候群についての治療としては、第一肋骨へのアプローチや、斜角筋のストレッチ、姿勢の矯正、小胸筋のストレッチなどが原因によって使われています。この治療について私のバイザーであったフーパー先生が書いていたもので改めてなるほどと思ったものをあげます。    

まずは横隔膜呼吸の重要性です。運動中に上肢の痺れなどが胸郭出口症候群が原因で現れることがあり、水泳や長距離ランナーでは私も見たことがあります。その時に解剖学的にアプローチすることとは別に横隔膜呼吸を強調することで、斜角筋等の呼吸補助筋の過度の働きを抑え症状を軽減する可能性があるいうものです。    

次には腕神経叢の神経モビ(フロッシング)です。鎖骨下と第一肋骨の間の部分も、烏口突起と胸郭、胸筋の隙間を通っている部分も近位では第一肋骨を下方にモビライゼーションすることで神経の滑りや血流を促すことができます。また正中神経と尺骨神経のモビライゼーションを行うことでも腕神経叢遠位部に刺激を加えることができます。

Hooper TL, Denton J, McGalliard MK, Brismée JM, Sizer PS Jr. Thoracic outlet
syndrome: a controversial clinical condition. Part 1: anatomy, and clinical
examination/diagnosis. J Man Manip Ther. 2010 Jun;18(2):74-83.
 
Hooper TL, Denton J, McGalliard MK, Brismée JM, Sizer PS Jr. Thoracic outlet
syndrome: a controversial clinical condition. Part 2: non-surgical and surgical
management. J Man Manip Ther. 2010 Sep;18(3):132-8.