Monday, December 26, 2016

マイノリティーの中のマイノリティー

大統領選結果の影響で、障害者の 人権がクローズアップされている。障害者の人権保護は全世界の大きな課題である。Community Based RehabilitaitonなどでWHOやNGOが国際的なサポートを行っているが、各国地域によって問題が異なり、まだ解決には遠い。日本でも、通路のアクセスから教育まで、健常者と同じサービスを受けることができる環境にあるのかと言われれば、まったくないと言わざるをえない。

米国でも全く同じである。言語の問題や、文化、宗教が関わってくるため、更に複雑となる。外国人や移民の増加が予想される日本はここに中止する必要もあるのではないだろうか。ICFからは見つけられない、環境因子、例えば社会サービスや地域ごとの習慣など、障害者の社会参加に関わる要因をどう捉えて、制度に生かすかが大切かもしれない。

なにが社会参画を妨害しているのか、制度の問題なのか、医療サポートの問題なのか、家族支援の不足なのか、人手不足なのか、データを収集することで科学的に人権に関わる役割がリハビリテーション医学にはあると思う。

Sunday, July 24, 2016

カンボジアの理学療法

プノンペンにあるKhmer Soviet Friendship Hospitalの神経内科でボランティア理学療法士としてこの1ヶ月間働いてきた。すばらしいVeterans International Cambodia (VIC)という切断患者を無料で診察、リハビリ、義肢装具・車いすの処方まで行っている施設も見学できた。いろいろな人にも話を聞いてきた。リハビリテーションに関して、そこには多くの課題が満載である。これは過去の悲劇にも影響されているし、現状の足踏みや医療ツーリズムなどによる国内医療の空洞化などの影響もあると考えられる。下記にあるJess Kにより作られたカンボジアの理学療法のプレゼンテーションにとても良くまとめられている。

https://prezi.com/azqxtifve6ef/key-issues-and-challenges-of-physiotherapy-in-cambodia/

上記のプレゼンには含まれていない私見をまとめみた。

  • 現状では、理学療法士の人数もすぐに増えず、保険もリハビリテーションをカバーしないため理学療法士を中心とした患者のケアを届けることには無理がある。
  • 言語聴覚士や作業療法士は存在していない。嚥下や高次脳機能障害には、見た限りほぼアプローチされておらず、PTが行う必要がある。新たに職業ができるには時間がかかるため、PTの教育または卒後教育の中にもこれらの領域を取り入れるべきである。
  • 最も重要なのは、全ての科の医師がリハビリテーションの重要性を理解し、VICへの装具やリハビリテーションの処方を出したり、予後をもとに患者家族の教育を行い運動や機能に対するアプローチを啓蒙する(これを行いたいと思っているPTやPOはカンボジア内に多い)。
  • VIC (リハビリ施設内に車いす工場や義肢装具製作所がある)などのすばらしいリソースを更に利用する。
  • 先進国は、よりパブリックと医師の教育、僻地の人々に対するリハビリテーション医療の教育、そして同じ意識を持った理学療法士の育成にフォーカスすべきである。

これが私が勝手に思っていることである。これらを行っていくことで、同時に社会や保険制度、リハビリテーションに対する対価が変わっていくことを期待する。すべての国に課題はあるが、カンボジアでリハビリテーションを受けられずに、機能的ポテンシャルを教えられずに、活動レベルを落としている人の数は多すぎる。更に考えていきたい。


Sunday, July 17, 2016

カンボジアの若者に見習わなければ

 Phare Ponleu Selpak

これは私的見解によるバイアスが入っているかもしれない。歴史的に見ると、中国の策略と洗脳に陥ったポル・ポト過激派による超自然主義のようなものと民衆のコントロールを行うため一般人、知識人の の虐殺にいたった。3分の1の人口と多くのこれから国を担っていっていたであろう人々を失い、100万人もの障がいをもった人々を産み、また寺院の破壊や地雷の拡散などを行い、その過激派は負の遺産しか残していない。

個人では現在に至る数週間のカンボジア滞在と理学療法士としての患者の治療を通して、その悲劇から立ち上がり、ひたむきに生きている人々の姿を、 肌身を持って感じられている。カンボジアのその悲劇を忘れないための、カンボジアの人々は虐殺の現場の保存と伝達、地雷博物館や戦争博物館、子どもたちの支援などの運動が行われ、国際協力も各方面で実施されている。

多くの若者たちは、英語も話せ、フランス語も読むことができ、海外で勉強やトレーニングを望んでいる向上心を持っている。アートでトレーニングも積んでいる。その眼差しと勢いを見ていると、今後活躍と国のポジティブな変化しか想像ができない。日本にはない危機感により、それが生み出されているのかもしれない。しかし、日本にも、経済的な後退や国内会社の体質、若者の科学、学問離れなど、現在危機的な状況である。皆が上を向き、声を上げて前に進もうとしている。周囲の東南アジア諸国に遅れている印象があるかもしれないが、その劣等感も前向きに働いている。日本には無いエネルギーがカンボジアにはある。

Tuesday, June 21, 2016

責任

祈ることとは覚悟を決めたことなのかもしれない。その意味は、あれをこうしてください、ということではなく、他力もあり導かれた結果に従いそれを受け入れ、それを受け入れて努力するという意味なのかもしれない。

人生で成功は約束されていない、しかし成長は約束されている。

by 田坂広志の講話

Thursday, June 9, 2016

学び

居心地があんまりいいと、学びは止まる。どうやって学ぶかというと、違和感がある環境の方が、学びが起きるわけですね。 by Joi Ito

Thursday, May 5, 2016

価値観の転換

経験のない感覚を理解することの難しさとそれを知る幸福感。

Wednesday, February 10, 2016

”Prehabilitation” 予後も良くなり医療費削減にも!

ガン手術に対する術前リハビリを中心に、プリハビリテーション(リハビリテーション)の前にPをくっつけて、前もって行うリハビリが米国で注目されています。

術前に有酸素運動や筋力を上げておくこと

 手術に対する耐性も上がる

  術後の機能低下や二次障害が減少

   入院日数や医学的治療が減る

    医療費も削減される

と良いこと尽く目かもしれません。
ガンの術前だけでなく、整形外科術前や、術後の生存率も論文として上がっています。
是非下記のAPTAの記事を参考にしてください。

Better Sooner and Later: Rehabilitation By Eric Ries | February 2016

Thursday, January 14, 2016

PubPub

メディアラボにおけるジャーナルにおける新しい試み。

PubPub

誰でも投稿できる、議論などもそこで行われる、分野を問わずキュレーションとしてのツールとして、科学者、デザイナーや多くの専門家のコミュニケーションの場になる。

これまでの科学論文の扱いに問題提起をしているのかもしれません。


Thursday, December 3, 2015

MOOC

Massive Open Online Courses (MOOC: 大規模オープンオンラインコース)の有用性を最近更に感じています。登録するのみで無料で、著明な先生や大学の授業をオンラインで受けることができます。しかも時間を選ばずに。

新しく学びたいことがある時、以前学んだことの理解を深めたい時に私は使っています。英語での授業がほとんどですが、多くの運営サイトでは、字幕もついています。以下のリンクで是非詳細を知らべて挑戦してみてください。

http://wired.jp/2014/08/08/mooc-best/ (WIRED, 8/8/2014の記事)
https://www.mooc-list.com (MOOC list)

私の場合は、神経生理やプログラミングの基礎などをCourseraとedXで、理学療法関連では年間購読料(割引で200ドル)はかかりますがMedbridgeで行っています。Youtubeなどにもありますが、体系立てられているという面でMOOCは大変利用しやすいツールだと思います。




ぜひ使ってみてください。

Friday, July 25, 2014

イノベーションのスピードは変わる; Now-ist

今まで時間がかかったことが、短時間でできる。それがイノベーションの爆発を呼び起こす。

時代は変わっています。それに乗り遅れないよう、人とつながり、知識をアップデートし続け、学び続けましょう。

リハビリテーションにも同じことが言えるかもしれません。自分への教訓にします。


Sunday, June 29, 2014

黒川節


ここ数年、テクノロジーの変化は早い。経験が人をポジティブに変えていく。この先何ができるんでしょうか?

Sunday, June 1, 2014

前庭機能障害のリハビリテーション

前庭機能または中枢機能によるバランス機能障害にためのリハビリテーションが最近盛んに紹介されています。日本にもよくまとめられた素晴らしい文献があります。

浅井友詞 前庭のリハビリテーション

また、日本語にも対応したオーストラリアで作られたMac対応の無料アプリがあります。aVORという名前です。自分で障害を作りどのように治療したら良いかなどシュミレーションが出来ます。

aVOR by Liberty IT




是非使ってみてください。


Sunday, May 25, 2014

PT協会ニュース

PT協会ニュースへの投稿を4月から始めています。全6回の予定ですが、米国理学療法の現状を私の視点から紹介し、日本にいるリハビリに関わる人の刺激になればと思っています。JPTAのサイトからオンラインでも読むことができますので、興味のある方は是非一読ください。

http://www.japanpt.or.jp/activity/publication/jptanews/archive/

Saturday, March 30, 2013

保険

アメリカの保険の制度は大変複雑で不合理です。その中でも自分が経験していることを書きたいと思います。今いるSkilled Nursing Facilityという所では術後や発症間もない短期入所の方も長期入所の方もいます。前提として、この施設に入ることもできない、保険料を収められない貧しい方が多くいるということをおさえておかなければなりません。

統計をとったわけではありませんが、短期入所の方はメディケアAという米国連邦政府管轄の保険でまかなわれる方が半数、メディケアの基準に達していない、または自分で安価な民間の保険をえらびその民間の保険で保険料をまかなわれる方が半数といった印象です。長期入所の方はリハビリが必要な場合、外来扱いでメディケアBまたは民間の保険で保険料がまかなわれる仕組みです。ここで厄介になるのが民間の保険会社とのやり取りです。メディケアは重症度によってこちらの意向で必要なおおまかなリハビリ時間の枠組みを決めることができますが、安価な民間の保険会社のリハビリ時間は基本的に全体で1日1時間という短いものです。どんな重症度であろうと、理学、作業、言語が入ろうと全体で1時間です。これには無理があります。また、民間保険会社は数日リハビリでの改善が見られなくなると、または改善の度合いが小さすぎると施設でのリハビリを独断で打ち切り施設の退去を命じます。患者様によってはリハビリ以外の治療が必要な時期もあり、いつも改善が見られるわけではありません。これにも無理があります。根本のシステムはメディケアを支配しているCMSが作っているのでこれにも大きな問題があります。

他方で、アメリカの働く環境がこの時間の縛りという負のスパイラルを加速させています。現在の職場、そしてほとんどの職場が時間の効率性を求めています。先程述べた保険でまかなわられる治療時間を元に我々の働く時間と患者数を決め、生産性のある働きを数字で求められます。前提である治療時間に無理があるためその生産性という本来プラスのプレッシャーも (セラピストにはいかに効率よく治療と書類を作るか試行錯誤させるというよい面もありますが) 患者様にとってマイナスに働きます。

よくアメリカの保険料は高いと言いますが、それは本当の話です。その上、保険システムが営利主義の上に成り立っているため、患者様の方向を向いて治療することが大変難しい環境であることも間違いありません。しかし、その保険システムが治療のエビデンスを求めているため医療が科学的に進歩しているという現実もあります。アメリカの保険制度に興味が有る方は以下のアドレスにアクセスしてみてください。2011年のもののようですが、わかりやすく解説しています。それにしてもこの国の保険制度はひどいですね。

邦人・日系人高齢者問題協議会


Sunday, October 14, 2012

ここには今

フィリピン人理学療法士の人数がアメリカで増加しています。たまたま彼らと長く過ごす時間がありました。英語はうまくスペイン語も理解でき中国語もかじっているという言語能力の高さには大変驚きました。それも歴史に基づいているのでしょうが、彼らの大きな強みです。理学療法や医学教育はすべて英語で行われていることもあり、他の国よりはアメリカ免許への適用が容易なようです。アメリカでは理学療法士が不足しているという現実があります。特に慢性期を扱う訪問や施設ではそれが顕著です。それらもあわせて優秀なフィリピン人はアメリカに永住するという選択をとっているようです。聞いた話では1クラス75%がアメリカ永住という大学もあるようです。人数として次に上がるのはインド人でしょうか。

確認はとっていませんが今回フィリピン人に聞いた話によるとフィリピンは学士以上でしか理学療法は取れませんが、それも高等教育卒業後の5年の教育のようです。単位と時間的に修士と同じレベルとフィリピン人の知人は言っていました。

話は変わって今年のIFOMPTはカナダでありましたが、そこでは理学療法人口に見合った貢献を日本人はできていません。ポスターは何人かいるものの口頭や教育講演をして理学療法の発展を担っている人はいませんでした。アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアがほとんどです。どれだけの人が日本人PTを知っているでしょうか。論文を見る限り日本人医師は大いに世界的に医学に貢献しています。理学療法も医学の一分野になろうとしています。頑張らないといけないですね。

Friday, September 28, 2012

フィラデルフィアへ


紆余曲折を経て、転職することになりました。10月よりペンシルベニア州はフィラデルフィアでPTとして働きます。現在は引っ越しや手続きも落ち着いて、来週月曜から始まるトレーニングという名の仕事に備えてド緊張しているところです。新しい職場や人間関係、整形外科とはまた違う現場なのでそこに対する適応に不安を抱いているところです。

転職活動は5月に始めました。そして 8月初めに雇用先が決まりました。いやー、いろんな意味で大変でした。

理学療法士免許ですが、ニューヨーク州からフィラデルフィアのあるペンシルバニア州に移るための新たな免許の申請が必要でした。日本の免許をもとに米国免許を取った私には少し気をつけなければならない部分。ニューヨーク州より必要とされている大学院でのクラス単位の基準が高いということ。これは運良くオンラインでとっていたもので補うことができました。他の多くの州で必要とされているTOEFLスピーキング26点という難関がこの州にはないことが功を奏しました。しかし、移行の手続きを開始してから2ヶ月は要しました。早めの準備が大切ですね。アスレチックトレーナーの免許は州間での発行基準の違いがなかったので難なくすみました。

次の曲者はビザです。今回は前回と同様のH1B cap exemptでしたので移行という形での申請でした。転職で気をつけなければならないのが、就職先/就職希望先がcap exemptcap subjectかで時期や手続きが大きく変わってくるというところです。詳しくはまたどこかで。また、今回は永住権を保証することも条件にこの就職口を頂いたのでそれに向けての申請書類などの準備も大変でした。日本からの公式な書類はすべて自分の手元に原文を揃えておくということが大切だと改めて感じました。

これから働く場所はSkilled Nursing Facilityとよばれる施設です。 亜急性期から慢性期の治療とリハビリを行うケア施設という感じでしょうか。患者層は高齢者で心血管、神経、整形などなどと広範囲ということです。この施設の保険の利用の仕方は前勤務先の外来整形とは異なります。またイチから勉強し直さなければならない分野も多いですが、、がんばります。いい経験になりそうです。

トレーナーとしても近くの大学でボランティア活動をさせてもらい技術や知識を磨く予定で話もついていますが、そんな余裕が自分にあるのか不安です。不安だらけの船出です。

Friday, March 23, 2012

アメリカでPT免許移行して働くための道標

外国PT免許(例えば日本のPT免許)をアメリカPT免許へ移行してビザ獲得までの情報をまとめたサイトがあったので紹介します。

インド人のためのアメリカPTへの道

素晴らしく情報がまとめられているのでFCCPTのサイトと一緒に参考にすることで日本人にとっても役立つと思います。免許の移行は州による基準がありますが、PTとしてビザまたはグリーンカードを獲得するにはFCCPTのTypeI Evaluationのクリアすること(Healthcare Worker Certificationの獲得)が全州で必須です。結局はいつ卒業したとしてもCWT5の基準に達していなければならないと思います。その基準はこちらです。

CWT5

テクニカルなことですが、参考になればと思います。 

Saturday, February 25, 2012

国を動かす力

"パブリックヘルス 市民が変える医療社会 アメリカ医療改革の現場から" 細田満和子著の中ではアメリカの医療現場の現状を社会的な視点から広範囲にわたって紹介されています。その中で、社会を動かすためのアプローチの違いを国ごとに紹介していました。医療や環境改革をアメリカは市民団体や専門家の団体が豊富な資金で研究広報をおこなって政治家たちに訴えています。日本では国側が力の弱い市民団体などと手を組み社会をより良い方向に導こうとしている現状があります。アメリカの主導は市民や専門家たちで、日本の制度設計の主導は国です。

それを考えると、リハビリや感染症予防などの制度改革に対して、力を持っているのは厚労省になりますが、それが正しいのでしょうか。介護保険や維持期のリハビリの問題が示唆されている現状で、それに意見していくのが現場にいる理学療法士たちでしょう。理学療法士たちの教育や臨床力も医療制度や教育制度の影響をもろに受けます。国自体にも大いに問題はありますが、もっと理学療法士団体、他の市民団体の発言力・影響力を高めていく必要性を再認識しました。たしかにアメリカの州の理学療法士協会やAPTAなどにはそれを専門に走り回っている人が多くいますし、報告もしています。社会的仕組みは違えど、今の日本のバランスがベストでないことは確かだと思います。

スポーツ医学においても、AEDの普及や熱中症などの予防、応急処置のリテラシーなどやるべきことを多くありますが、それにも国の意向と多くの専門職団体の利害が邪魔をしていると聞きます。最終目的は何なのか(健康維持・傷害予防)もう一度確認して団体間の協力をもち、その力を強めた上で国に働きかけることが今できることかもしれません。

Friday, February 17, 2012

科学界の公用語

竹内薫氏が著書“科学嫌いが日本を滅ぼす”で、科学において言語として英語が席巻している中、日本人が戦っていくことに対してこう書いています。ノーベル賞を受賞した益川氏がなぜ受賞できたかというと小林誠氏という共同研究者が英語で論文をかけたからだろう。それを踏まえて、日本人に必要なのは英語を操る術ではなく通訳する人といかに協力して英語で発信とコミュニケーションを取っていくことかである、ということも述べています。

理学療法でもアスレチックトレーナーの分野でも、英語そこまでできないけれど優秀な研究者や臨床家は山ほどいますし、英語が堪能な日本人療法士やトレーナーもたくさんいます。ですから、英語論文を読む方法を学べとか読めとかいうことも重要ですが、この2グループの協力を日本全体でやっていくことが、日本が世界と協力してリハビリテーションやスポーツ医学の発展にコメディカルの立場から貢献していく方法なのかもしれません。日本理学療法士協会にはThe Journal of the Japanese Physical Therapy Associationという素材はありますし、人材もたくさんいます。協会や教育機関はその活用をもっとすればいいのかもしれません。

Saturday, February 11, 2012

疼痛の理学療法

理学療法士一人ひとりそれぞれの評価と治療コンセプトを持っていて各々の経験や学んだことから患者に対してアプローチしています。しかし、僕は今の科学で証明されていることを使うことは医療者としての最低限のルールだと思っています。そのプラスアルファを個々でやっていけばというのが今の考えです。

そこで必要とされるのが最新の知見と医学的根拠に基づいた治療のガイドラインや日々の研鑽(最新の雑誌を読むなどの)ですがそれも日に日に古くなったり、時間や労力に限りがあるでしょう。雑誌を全部読むなんて無理ですよね。

そこで整形外科的疼痛に対する理学療法で今アメリカの最低ラインの治療を紹介しているのが”Mechanisms and Management of Pain for the Physical Therapist" Kathleen A. Sluka Editor IASPです。腰痛や頸部疼痛の治療方法やその根拠となるデータ、慢性疼痛に対する理学療法や運動が生理学的に疼痛にどう働くかなどが書かれています。2009年出版ですから日進月歩の現場からしたら少し古いですが、とてもよくまとめられている本です。アメリカの整形理学療法の現場と考え方を知る良書だと思います。是非読んでみてください。